心の家路

ソブラエティのための道具90 (3)
90 tools for sobriety (3)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

3 ) 回復は「今日一日」ごとに進んでいく。
Progress is made ONE DAY AT A TIME.


ONE DAY AT A TIME - あまりにも良く使われる 「今日一日」 というAAのスローガンは、同じような意味の 「24時間プラン」 と一緒に、いつでも僕を助けてくれます。

「誰だって、今日一日だけは、酒を飲まないと自分に約束できる」

そして、その約束を守ることもできるのです。 昨日は飲んでしまったかもしれない。 明日はまた飲むかもしれない。 でも、今日一日だけなら乗り切ることができます。
仕事が辛いときも「今日一日」。 明日も辛い仕事が待っていると考えずに、ともかく今日の終わることまでを考えます。 過去や未来のことまで考えると混乱してしまう感情も、今日一日だけなら処理することができます。

at a time = on each occasion (それぞれのときに)。 一度に一日だけ。 人間の意志の力が及ぶ範囲は、今日という一日だけ。 一日ずつを大切に生きていく。

僕がAAに舞い戻ろうと決意したときに、ソブラエティが10年以上という仲間が目の前に現れました。
その人は、アルコールの問題をあまり話しませんでした。 もはや酒が彼をまったく苦しめていないことは明らかでした。 仕事、家族、生活、趣味、経済状態、ステップワークとそれからの逸脱・・・どれを取っても、僕とは比べ物にならない経験をたずさえている人であり、失敗の経験すらも豊富でした。 目の前にある、わかりやすい回復の例でした。

その姿を見て、僕が感じたのは激しい羨望と焦りでした。

「うらやましい。僕も早くそうなりたい」

しかし、一年は長くて、飲酒欲求すらなかなか遠ざかってくれません。
全然理解できないステップに一生懸命取り組んでみても、成果らしい成果も得られません。
10年の差を乗り越えてやろうという気合いも、すっかり空回りするばかりでした。
ある日、その人から短い手紙が届きました。

「あなたを見ていると、自分の昔が思い出されます」

その人にも一年目があったことを、僕はすっかり失念していました。 もちろんその人にも、僕と同じように、不安と焦燥の時期があったのでしょう。 回復と進歩は一日一日の積み重ねです。 10年のその人は10年分の積み重ねがあり、僕には数ヶ月の積み重ねしかないのでした。 追いつけ、追い越せとがんばってみても、10年を一日に縮めることはできないのです。

「回復は競争ではない」

焦ってみても仕方ないと知りました。 「気楽にやろう」の言葉どおりです。

「周囲の人が僕を信用してくれるまで何年かかるか知りません。 それまでこつこつやるだけです」

ミーティングでそう言えたら楽になりました。

今は、何年たっても悩みなど消えはしないと知りました。 ハイヤーパワーは、一日に少しずつしか僕に明らかにしてくれないのです。

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