心の家路

ソブラエティのための道具90 (15)
90 tools for sobriety (15)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

15) 自分の怒りをコントロールする練習をしてごらん。
Practice control of your anger.


HALT(※)シリーズです。これが僕には一番難しいです。

怒りの根源は恐れと不安だとされていますし、僕もそう思います。
僕は自分を取り巻く世界に対して、そんなにおう揚に対処できるほど「よい人」ではなくて、すぐに感情的になってしまうタイプです。アルコールが神経を過敏にするのか、それとも敏感すぎるからアルコールに走るのか・・・。ともかく僕は、怒りをまき散らし、まき散らしきれなかった怒りが自分の中に溜まり、それが自己憐憫に変わって、アルコールという魔法の薬でそれを癒していたのです。

だから、飲んでいた頃と同じ考え(古い考えってやつですね)を続けていたら、ちっともアルコールは遠ざかってくれないのです。だからといって、それを無理に抑えこんでも、やっぱり自己憐憫と抑うつが待っているだけです。

確かな事実は「怒りを撒き散らすと、僕の周囲の人は不愉快に感じ、不機嫌になる」ということです。そしてそれは、回りまわって僕を不安に追い込み、さらに怒りを増幅するという悪循環にはまっていくのです。そう、先行く仲間の言うとおりに、

「怒りに任せた行動は、普通の人にとってはたまに楽しめるレジャーかもしれないが、アルコホーリクにとっては命の代償が必要なぜいたく品だ」

というとおりなのです。飲まないで生きていきたかったら、導火線の短い爆弾みたいな生き方を変えなければいけませんでした。

例えば、仲間の言葉に「周りの人は、すべて私の行動を見ている審判だった」とありました。僕も同じように感じていました。他の人の目に自分がどう映っているか、どう評価されているか、気になって気になって仕方ありませんでした。そのくせ、その評価に満足したことなどなかったのです。

結局のところすべては、僕の本能が満たされない不安から生じた怒りなのです。「世の中に僕のように不運なヤツはいない」という自己憐憫・おびえ・怒り。この循環から抜け出る手段を見つけるまで、アルコールからの安全はないのでしょう。

僕の場合、怒りがこみ上げてきたときの対処法はいくつかあります。
最初に教えてもらった方法は、「平安の祈り」を繰り返しとなえることでした。「変えられないこと」って何なのか、「変えられること」って何なのか。そもそも、僕は怒りで何を変えたいのか?
そして、怒りやすくなっているほかの原因も探ってみます。お腹が空いているのではないか? 疲れているのではないか? 話し合う相手がいないのではないか?

何かをお腹に入れ、休息を取り、誰かと(そのことについても、他のことでも)話し合ったあとに、もう一度考えてみます。果たして、何に対して不安を抱いたのでしょう。そして、対応策を考えます。ひょっとして、怒りをぶつけることではなく、苦情を申し立てるほうが正しいのかもしれません。今こそ愛情を呼び起こし、誰かを許す時かもしれません。「正当化できる怒り」については、自分が正しいということに十分満足して、何も行動しなくても良いのかもしれません。

それでも不満が残るときには、仲間に話をします。仲間は、話をじっくり聞いてくれて、僕に同情してくれるかもしれません。それは怒り・恐れ・不安にはとてもよい薬になります。
また仲間は、厳しい真実を指摘してくれるかもしれません。

「それはどんな人間にも自分のやっていること認めてもらいたいという、誤ったプライドが傷ついただけじゃないのかね」
「自分が優れた人間だと思い上がっているくせに、他の人が完璧でないと気がすまないというのか?」

そう言われてみれば、恥ずかしい限りの場合も多いものです。

しかし、世の中には耐えるには理不尽すぎることも待ち受けているものです。それでも、真実はひとつです。

「自分の命より大切なものがあるのか?」

結局のところ、怒りの感情は、他の誰でもない僕自身を最大に傷つけるのです。その痛みから少しでも自由になる手段は「12のステップ」として僕に提案されています。心の中を整理整頓することが、散らかりきった僕の心を平安にしてくれる手段なのです。


HALT : Hungry(空腹)・Angry(怒り)・Lonely(孤独)・Tired(疲労)の頭文字をつなげた言葉。

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