心の家路

ソブラエティのための道具90 (17)
90 tools for sobriety (17)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

17) 必要とされるときはいつでも、すすんで手助けするように。
Be willing to help whenever needed.


「これほど再飲酒を防ぐ保障になる行動はない。ほかのことがみんなうまくいかなくても、これには効果がある」 (アルコホーリクス・アノニマス第7章)

酒を止める(飲まないですごす)ということは「自分がする」ことなんだから、他の人々は関係がないと思い込んでいました。もし、飲まないで生きるという道があるのなら、僕はその道の孤独な旅人になるのだと感じていました。

医者は正常に酒が飲めるように僕を治してくれるわけでもなければ、酒を止めてくれるわけでもありません。病院は飲んだら入院するところで、飲まなければ関係のない場所のはずです。そして、いくら家族だといっても24時間僕を監視して、飲みそうになったら酒を取り上げるというわけにもいかないのです。
だから「自分で」飲まないで生きていくしか方法はないのだと思っていたのです。

そう考えると、AAの人たちの行動は謎でした。彼らは、沸かしたお湯の入ったポットとコーヒーやらカップやらハンドブックが入ったバスケットを持って週2回会場に現れてミーティングを開いていました。教会の部屋を借りる費用も自分達で支払っていました。峠を越えてほかの町でもミーティングをし、病院でも定期的に話をしていました。時には僕の家まで電話をかけてくれました。飲んだ仲間を病院に連れて行ったりもしていました。そしてそのすべては「自分のためにやっていること」だと言うのです。

「僕はそこまでしなくても酒は止められる」という根拠のない自信、「そこまでしないと酒が止められないほど酷い自分を認めたくない」という自尊心、「自分にはもっと大事な使命が用意されているはずだ」という誤った信念、すべてはアルコールが打ち砕いてくれました。

「何をやってもうまくいかないときは、言われたとおりにやってみな」

僕もAAの人たちと同じことをすることにしたのです。

「人の手助けをすることで自分自身を癒そうとする試みは効果がある。たとえそれがあまり心のこもっていないただのポーズであってもかまわない」 (どうやって飲まないでいるか 31.十二のステップをやってみる)

気持ちが酒を止めてくれるのではなく、行動が酒を止めてくれるのだと理解したのは、後になってからです。正直に言えば、「いつでも、すすんで」手助けをできるほど回復してはいません。でも、必要としているのは、ほかでもない僕自身なのです。

「私たちは、私たちを必要とする人を、必要とする」

求めつつ、求められる。必要とされる人間であれることは幸せなことです。

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