心の家路

ソブラエティのための道具90 (22)
90 tools for sobriety (22)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

22) 愛や憎しみには気をつけていなさい。
Be aware of your emotions.


「『私たちの本来の目的は、飲まないで生きていくことであり、ほかのアルコホーリクも飲まない生き方を達成するよう手助けすることである』。AAで飲まない生き方以外のものまで求めようとするから、おかしくなるんだ」

久しぶりに会った「先行く仲間」の言葉は、僕にはとても辛らつに響きました。

アルコールに浸っていた自分は、あまりにも孤独でした。飲まずにはいられない苦しみを理解してくれる人は誰もいませんでした。僕の感情を理解してくれ、そして共感してくれる人なんて、この世の中のどこにもいないだろうと思っていました。それでも心は愛情と共感を求めていたのです。

AAのミーティングで、僕は自分の孤独を分かち合える仲間に出会うことができました。経験の共有は人々を単なる友人以上に深く結びつけるボンドの役目を果たしてくれました。しばらく飲まないでいる期間が続いてくると、こんどは酒におぼれた年月で失ったものを取り戻そうという欲が芽生えてきました。そのなかにはもちろん「異性との親密な関係」も含まれていたのです。

僕がAAに入ってしばらくの間、男女関係のトラブルに巻き込まれずにすんだのは、単に身近に対象になる異性がいなかったという幸運に恵まれただけで、僕がなにか優れいていたわけではありません。人は困難から目をそむけるために恋愛を求め、また困難を切り抜けることで生まれた余裕から恋愛を求めるようです。時にはおおっぴらに、時にはこっそりと。

愛はアルコールのように人を酔わせます。そして憎しみは過ぎ去った愛情の裏返しであることが多いものです。

「未熟な男女関係、あるいは時期尚早な男女関係は、回復を損なうものだ」

激しすぎる感情はアルコホーリクの心を、ソブラエティを揺さぶります。回復には時間がかかることは理解していても、年月は人の身体に勝手に年齢を刻んでいきます。焦るなと言われても、こればかりはのんびりしていられないのかもしれません。「先行く仲間」の警句が、自らの体験からのものなのか、単なる知識の受け売りなのかは分かりません。でも、僕も同じに述べ伝えるでしょう。

「AAで飲まない生き方以外のものまで求めると・・・」

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