心の家路

ソブラエティのための道具90 (23)
90 tools for sobriety (23)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

23) 誰かの回復の手助けのために、手を伸ばし、耳を傾けなさい。
Help another in his/her recovery, extend your hand, listen.


「話すことは離すことちゅうてな」

ミーティングが終わったあと、教会の前の駐車場で、よくスポンサーと話しこんだものでした。それは時には1時間にも、2時間にも及びました。前回のミーティングの後、今日までに起こった出来事。飲んでいたころの出来事。今の心の悩み・苦しみなどなど、話はつきませんでした。よく彼も夜の遅くまで付き合ってくれたものです。

心の中のもやもやした何かを、言葉にして口から出したところで、自分を取り巻く状況が変わってくれるはずもありません。相談してみたところで、相手から納得のいく答えがもらえることも、まずありません。

ではなぜ話したのかといえば、僕には話し相手が必要だったからでしょう。話すことで周囲は何も変わらなくても、僕の心の中には何かの変化があったのです。僕は同情される必要も、尊敬される必要もなかったけれど、理解されることを必要としていたのです。彼は理解してくれました。それは彼も僕も、同じ苦しみを経験してきたからでしょう。
ミーティングの帰りは、いつも心が軽くなっていたものですが、彼と話ができた夜は、普段よりもっと軽くなっていました。

彼が時間を捧げてくれたように、そして理解を与えてくれたように、僕も誰かのために時間を割き、理解を示そうと努めています。直接会って話をするような機会は減ってしまいましたが、電話で話したり、手紙を書いたり、そして最近ではメールを読んだり書いたりと手段はさまざまです。

「助かりたかったら、助けなさい」

助けるなんて大層なことはできません。でも、時間を割き、話に耳を傾けることは僕にもできます。そして僕自身、相変わらず「理解すること」よりも「理解されること」を求めています。僕は話を聞いてもらう必要があるのです。

人生はギブ・アンド・テイクが原則です。助けてもらってばかりではいられません。僕も何かをしなくては、自分自身が助からないのです。やり方は不慣れで、不恰好で、いつも失敗ばかりです。相手の回復の役に立っているのか、自信などありません。
ただある日、自分が思っていたより多くの「理解」を与えられていることに気づくのです。

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