心の家路

ソブラエティのための道具90 (28)
90 tools for sobriety (28)

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2006/01/11 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

28) なじみの飲み仲間を、AAの仲間に入れ替えてごらん。
Replace old drinking buddies with new AA buddies.


僕があまりに重症なアルコホーリクだったせいでしょうか、AAにつながった頃にはもう「なじみの飲み仲間」といえる友達は誰もいませんでした。

学生のころ、友人たちと居酒屋で過ごす時間はとても楽しいものでした。平日だろうが、週末だろうが関係なく、仲間が集まれば楽しい飲み会でした。
しかし彼らと僕の間には、目に見えない隙間が広がっていきました。

皆が就職して、一緒に飲みに行くのは週末だけになりました。同時に僕の依存症も進行して行きました。一緒に飲んでいても、僕のグラスだけ皆より早く空いてしまうのでした。僕には彼らが「なぜそんなにゆっくり」飲めるのか不思議でした。
グループで飲む酒よりも、飲み会を解散した後でアパートに帰って一人で飲む酒のほうが、ずっと安心して飲めました。集合場所に行く前に、まず2〜3杯飲んで「景気をつけて」から行くことも多くなりました。一人だけ酔いつぶれないように、カフェインのたっぷり入ったドリンク剤を下準備として飲んでいくこともありました。
僕は飲み会で毎回泥酔するようになり、人々を心配させ、あきれさせました。

夜昼かまわず酒を飲み続けるようになると、もう「仲間と集まって飲む」のは面倒に感じられて仕方ありませんでした。飲み会に誘ってもらうよりは、頼むから一人にして放っておいて欲しい、一人で酒を飲ませて欲しいと願うようになりました。そして、僕を遊びに誘い出したり、酒に誘ったりする人は誰もいなくなりました。

「せいせいした」と言いながら、深い孤独を感じていました。そして、いざ酒をやめなければならない時期になると、僕は酒なしで友情を築く方法をすっかり忘れていたのです。酒があってもなくても、僕は孤独でした。

今はAAのメンバーとなって、昔に飲み仲間と過ごしたのと同じぐらいの時間を、ミーティングやら電話やらで、AAの仲間と過ごすために使っています。AAの仲間は「友だち」とはちょっと違いますが、「じゃあ皆で居酒屋へ行こう」と言わないところが僕にとって一番安心できることです。
AA以外の僕の友人・知人たちは、相変わらず目的地を「酒の出る場所」に設定してきます。それはまったく彼らの自由なのですが、そんな人たちにばかり囲まれていたら、ソブラエティを保つのに、ちょっと苦労が絶えないような気がします。

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