心の家路

ソブラエティのための道具90 (35)
90 tools for sobriety (35)

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2007/03/18 

90 TOOLS FOR SOBRIETY

ソブラエティのための道具 90

35) 1と12だけではなく、また1と12と13だけでもなく、「12と12」を全部する方向に努めなさい。
Try the 12 and 12, not just 1 and 12 or 1, 12 and 13!


たぶんステップ一と、さらに十二番目のステップの中で「メッセージを運ぶ」という部分の二つだけで十分だろう。 (『12のステップと12の伝統』 ステップ12)

人間誰しも、自己満足という罠から逃れられないように思います。

AAミーティングに出続けて、無力を認め、やがて僕の酒は止まりました。「よくやっている」と誉めてくれる人たちもいました。それまで辛いことの多い人生を歩いてきた僕は、簡単に有頂天にになりました。
ミーティングに出続けること、無力を認めること、同じ病気の仲間に会い続けること。自分はそれで酒が止まったと思い、また周囲の仲間も自分と同じように見えてしまいました。自分がどうやって酒をやめたかを伝えていけば、それで十分な役割が果たせると信じていました。
けれど、AAから帰ってくると、相変わらず苦痛に満ちた日常が待っていて、生き辛さはちっとも減ってはいませんでした。そのくせ「あいだのステップをすっ飛ばしている」と言われれば、腹を立てていたのですから、仕方のない話です。

さて「13番目のステップ」という言葉は、「AAとクラブ」という文章の中に出てきます。それはつまり、12個のステップ以外のメンバー同士のつきあい全般を示す言葉だったようです。しかし、現在では「AAの中での男女交際」を示す言葉として使われる場合が多いように思います。

My life is unmanageable and I want to share it with you!
私は自分の人生が手に負えなくなっていたことを認めた。だから、そのことを二人だけで分かち合ってみないかい?

恋愛は自己肯定感(self-esteem)を大いに高めてくれます。それは1から12のステップよりも、はるかに強力かつ即効性のある「回復の道具」です。けれど、たいていの場合、その効果は本物じゃないし、長続きもしません。後でツケを払う羽目になります。
僕もスポンサーから警告を頂戴しました。

金も仕事も失った男が、最後にプライドを満足させるために手を出すのが、女だ!

「こんな酷い状態でも、俺に惚れてくれる女がいる」という自己満足は、傷ついたプライドを簡単に癒してくれます。まして、自分はAAで回復して、幸せのメッセージの運び手になったという勘違いも重なれば、もう回復の自己診断メーターは振り切れんばかりです。
それは男だけの現象かと思っていたら、事情は女でも変わらないとか。
相手を愛しているのでなく、プライドを満足させる道具にしているとは、そのときは気づけないものであります。

誰しもツー・ステップの罠からは逃れられないし、AAが男女の集まりであることも変えられません。新しい人が入ってくる以上、これからも同じ事が繰り返されるでしょう。ツー・ステップがよい副産物を生む場合もありますし、祝福される男女交際だってあります。だから「なくすべきもの」だとも、「なくせるもの」だとも思いません。

特殊な例ではなく、誰にでも起りうることだからこそ、この言葉が残されてきたと考えています。

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