心の家路
アルコール中毒という病気(はしがき)
DRINKER OR DRUNKARD - Warning Signals on the Way to Alcoholism (1/6)

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2008/02/01 

DRINKER OR DRUNKARD - Warning Signals on the Way to Alcoholism

アルコール中毒という病気

―― アルコホリズムにいたる警告のシグナル ――


はしがき

アルコール中毒という病気がある。人類の歴史と共に古いもの、といわれながら、今日特に世界的問題となったのは、それが治療すれば回復できる病気と認められたからであろう。

わが国ではまだ、多くの人がアルコール中毒を意志の問題と考え、アルコール中毒になる人は人間として欠陥があると考えている。従って本人も家族も、恥ずかしいことだから、認めたがらないし、かくそうと努める。一旦アルコール中毒になると、進行性の病気であるから、ますます悪化して、苦しい生とみじめな死を招くことになる。

わが国でアル中と呼ばれる人々に、あたかもその人の人間的評価のように与えられている特性は、ほんとうは肉体が受け付けなくなったものを、悪戦苦闘しながら入れ続けなければならない病気の、ほとんど必然的な症状なのである。はじめ見分けがつかなかったので“こんなはずはない”と思っているうちに、人間の意志力ではどうにもならない病気になっているのである。アルコール中毒者の酒の問題を意志の問題だというのは、肺炎になった人に、熱が出るのは意志が弱いからだ、というようなものである。

それでも意志は大事である。何とかしたいと考えること、治療を受けようという意志である。これがなければ、誰も何もしてやれない。そういう病気である。

この小冊子は、国連の機関である WORLD HEALTH ORGANIZATION のニューズレターをカリフォルニア州政府がパンフレットにしたものから翻訳した。

原著者は、E.M.Jellinek博士で、W.H.O.の専門書シリーズの一つとして、1952年8月に発表された論文である。ジェリネク博士は3000人にのぼる回復したアルコール中毒者(AAメンバー)に会ってこれを書いた。

アルコール中毒は、誰でもかかり得る病気であり、治療出来る病気であることを知ってもらうのに、役に立てば幸いである。

1976年9月 ニューヨークにて 訳者

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