心の家路

あなたにしか決められない
Only you can make a decision

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2004/05/11 

<早ければ早いほど良い>

<あなたにしか決められない>

振り返って見ると、私たちは意思の力で飲むのを止められた時をとうに越えてしまっていたようだ。もし誰かに自分はこの危険な領域に入っているかどうかと聞かれたら、飲むのをともかく一年間止めてみるように言うといい。もしその人が本物のアルコホーリクで、かなり進行している場合は、まず止められないはずだ。飲み始めた初期のころなら、私たちは一年やそこらはアルコールに手を出さずにいることもできたが、またしても結局は酒飲みに逆戻りした。

(『アルコホーリクス・アノニマス』 第三章・さらにアルコホリズムについて p50-51・文庫版 p82-83)

AAワールド・サービス社の許可のもとに再録。

正直に言って、アルコール依存症の回復率はあまりよくありません。

ひとつには、本人にも周囲の人にも病識(病気であるという認識)が薄いのです。あれだけのトラブルを引き起こし、皆に禁酒を約束した人が、ふたたび酔っ払っている姿を見ると、誰もが「彼(彼女)は不誠実な人間だ」と思いがちです。非道徳だとか、意志の弱さ、性格の異常などと考えてしまうのも無理からぬことです。しかし、依存症も、たとえば糖尿病とか肺炎とかと同じ「病気」なのです。せっかく禁酒の誓いをたてたのに、また酔っ払っているのは「病気の症状が再発」しただけです。それを責めるのは、肺炎の人に「熱が出るのは意思が弱いからだ」と責めるのと同じです。「病気」だと信じなければ、積極的に治療しよう(させよう)とは考えませんから、その間にどんどん病気は進行してしまうのです。

また、依存以外の部分(たとえば肝臓のγGTP数値とか)に注目が集まってしまうのも現実です。肉体がいくら健康に戻ろうとも、病気の根っこは消えてはいないのに、そこに目がゆかないのです。内科的な入院治療は、「壊れた体を治して、また飲める健康な体に戻してくれるだけ」の意味しかないとも言われます。

やっと「酒を断つしかない」という認識ができても、「自分の意志の力でそれをやり遂げられる」と信じる人が大半です(本人も家族も)。節酒に挑む人もいます。でもコントロールできないのが病気の本質なんですから、また同じことが繰り返されるだけです。

アルコールを、(生活と健康を維持するためには)飲むこともできず、かといって(自分の意志の力だけでは)飲まないでいることもできない。最初に、健康な人は飲むことも、飲まないでいることもできる、と書きましたが、その逆の状態なのです。

アルコールのことで、あれこれ指図を受けたくない。余計なお世話だ。

そう、人生はその人のものです。それを酒に費やすのも自由でしょう。
ですが、大切なものを次第に失っていくのもこの病気の特徴です。

人によって大切なものは違うでしょう。「家族」かもしれませんし、「自由な意志で選び取った職業」、「生まれ育った家」、「親友」、「財産」、「子供の健康な成長と将来」、そして「自分自身の命」。失うこと=病気の進行なのかもしれません。

そして、病気が進行して重症になる程、回復が難しくなるのも、他の病気と変わりません。「早期発見、早期治療」が大事なのは、このアルコール依存症でも同じなのです。

まず最初に必要なことは、酒に対して意志の力が及ばない(アルコールに対して無力であること)を認めることです。そして、助力を求め、それを受け入れることです。しかし、私たちの多くはそれを嫌いました。嫌っているうちに時間は過ぎていきました。

この病気も、他の病気と同じように、

助かりたい。良くなりたい。

という思いが、何よりも大切なのです。

どうするのか、それは医者が決めることでも、家族が決めることでもありません。あなたの人生はあなた自身が選び取っていくものですから。

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