ビル・Wに問う (33) AAの成功率は?

Q33:アルコホーリクス・アノニマスの成功率は?

A33:心から酒をやめたいと願った人たちのおよそ50%はすぐに酒をやめられました。25%は何度か再飲酒した後にやめ、残りのほとんどにも改善が見られました。(1944年、ニューヨーク州医学ジャーナル第44巻)1)


別の答

A33:1949年現在、私たちの量的な結果は以下の通りです。設立から14年を経たアルコホーリクス・アノニマスの共同体には、約3,000のグループに8万人のメンバーがいます。30の国とアメリカの海外領土に進出しており、翻訳も進んでいます。職業的にはアメリカの正確な断面図となっています。宗教的には約40%がカトリックで、残りは名目上あるいは実質的なプロテスタント、かつて不可知論者であった多くの人たち、少数のユダヤ教徒から成っています。10から15%は女性です。一部に黒人たちも特に困難なく回復しつつあります。医学および宗教のトップから普遍的な支持を受けています。AAのメンバー数構成はピラミッド型を示しており、チェーンスタイルで、毎年約30%の増加率となっています。1949年には、少なくとも2万人の恒久的な回復が見込まれます。最近では、これらの半数は中程度か軽度の症例(平均年齢36才)です。

私たちの元に留まって真剣に取り組んだアルコホーリクのうち、50%はすぐに酒をやめて留まり続け、25%は何回かの再発の後に酒をやめ、その他にも改善が見られました。3)しかし、多くの問題飲酒者、おそらく5人中3人から4人が、短い接触の後にAAをやめていきました。その中には精神病質やダメージが大きすぎる人たちもいました。ではありますが、大多数の人たちは強力な自己正当化を抱えているのであり、それはやがて行き詰まります。実際のところ、その行き詰まりは最初の接触においてAAが「良い被曝」と呼ぶものによってもたらされるのです。アルコールという業火に焼かれ、彼らはたいてい数年以内に私たちの元に戻ってきます。彼らは「戻ってくるしかなかった」と言います。それがAAであれ他であれ。彼らはアルコホリズムについてアルコホーリクから学びました。それによって、自分で思っていたより強く打たれていたのです。そのようなケースは、私たちと接触した人たちのおよそ半分が最終的に戻ってきて、その多くが回復するという好ましい印象を私たちに与えてくれます。(アメリカ精神医学ジャーナル、106巻、1949年)2)


別の答

A33:毎月約2千人が回復しています。もちろんそうしたアルコホーリクたちは、良くなりたいと強く望んでおり、私たちのプログラムをやってみるだけの情緒的な能力がある人たちです。50%がすぐに回復し、25%が何度か後戻りした後に回復します。残りの人たちも、AAへの参加を続けている限り改善していきます。最初の接触では、私たちのところに来た人全体のなかで、AAメンバーになるのはおそらく25%に過ぎないでしょう。現在のところ私たちの初期の失敗75例のうち、70例が1年後から10年後までにAAに戻ってきていることが明らかになっています。私たちが連れ戻したのではありません。彼らは自発的に戻ってきたのです。(ニューヨーク州医学ジャーナル第50巻、1950年)


別の答

A33:私たちは規模が大きくなっただけでなく、有効性も増しました。回復率が大幅に上昇しました。AAに真剣に取り組んだ人の50%はすぐに酒がやめられ、25%が最終的には酒をやめました。残りの人たちも、AAに留まっている限り、確かに改善が見られました。私たちの高い回復率はその後も保たれており、それは『アルコホーリクス・アノニマス』の初版に体験記を載せた人たちについても言えます。彼らの75%は最終的に断酒を成し遂げており、死あるいは狂気に至ったのは25%に過ぎません。現在も存命の人たちの断酒期間は平均して20年になります。

AAの初期から今まで、たいへん多くのアルコホーリクが私たちのところにやってきて、そして去って行きました――おそらく今日では5人中3人がそうでしょう。しかし幸いにも、彼らの大多数はやがて戻ってくることが分かりました。ひどく精神病質であったり、脳にダメージがあったりしなければですが。死をもたらしうる病気に取り憑かれていることを、他のアルコホーリクの口から一度聞かされると、その後の飲酒が彼らを行き詰まらせるのです。結局彼らはAAに戻って来ざるを得ません。そうするか、死ぬしかないのですから。これは時には最初の接触から何年か後になります。ですから、AAにおける最終的な回復率は、当初考えられたよりすっと高いのです。

しかしながら、アルコホーリクス・アノニマスは、アルコホリズムの問題全体のほんの表面をかすっただけだということも謙虚に内省せねばなりません。私たちは、この合衆国に全体で450万人いるというアルコホーリクの、かろうじて5%をしらふにしたにすぎません。(ニューヨーク市アルコホリズム医学会、1958年)3)


別の答

A33:AAメンバーである私たちは、過去30年間にこの共同体(AA)に近づいたものの、留まらなかった60万人がその後どうなったのか、真面目に考えてみるべきです。いかに多く、いかに頻繁に、私たちが彼らを助けることができなかったか。AAが存在したこの20年間に、私たちの手が届いたのは、AAに接したいと願うだろう人たち全体の1割にもならないことを思い起こせば、私たちの使命の広大さと、常に突きつけられる責任が分ろうというものです。(1958年、ゼネラル・サービス評議会)。


別の答

A33:私は、AAがあったこの時代、この25年間、世界のアルコホーリクが行列をして私たちの前を通り過ぎ、断崖から落ちていったという事実に気づきました。私が慎重に手に入れた統計によれば、おそらく世界的に見れば、そのような人たちがおよそ2,500万人いるでしょう。過去25年の間に、絶望と、病と、不幸と、死の流れの中から、私たちが救い出せたのは100人に1人にすぎません。私たちはより多く、より良く救い出せるようになりつつあると思います。

私たちの人数は注目に値します。私たちは大きくなりました。数は大きな安全を与えてくれます。最初の二、三年間、私たちは酒を飲まずにいられるのか、誰も確信が持てずにいました。私たちはまるで、エディー・リッケンバッカーの救命筏の人々のようでした。おい、この筏をちょっとでも揺する奴がいたら、ブチのめして、外に放り出してやるからな。しかし、今ではまったく別の話になりました。人数の増加が大きな安全をもたらしたのと同時に、それなりのマイナス作用も出てきています。一つの仕事をより多くの人がやるようになると、仕事をする人が減ってしまうのです。言い換えれば、みんなの仕事は誰の仕事でもないということです。何が進行しているのかもっと意識するようにしなければ、人数の増加は自己満足をもたらすのみです(1960年ゼネラル・サービス評議会の録音より)。

現在のAAの回復率については、アーサー・Sらによる「アルコホーリクス・アノニマス(AA)の回復率 ~現代における神話と誤解~」を参照されたい。

  1. cf. 「アルコホーリクス・アノニマスの基本コンセプト」[]
  2. cf. 「アルコホーリクス・アノニマスの共同体」[]
  3. cf. 「アルコホーリクス・アノニマス、その始まりと成長」[]

2021-10-23

Posted by ragi