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ツワルスキーの著作は日本語に複数翻訳されているが、その中の『まにあうよ、いまからでも』(Waking Up Just in Time)は12ステップを紹介している。その訳文はこのようになっている。
私たちはアルコール(または麻薬、食べもの、ギャンブルなど)に対して無力であり、人生がコントロールできなくなったことを認めます。 自分より大きな力こそが、私たちを健全な状態にもどしてくれることを信じます。 私たちは自分の信じる「大きな力」の手に自分の意思と人生をゆだねることにします。 自分自身を深く掘りさげて、勇気をもって自己評価を行います。 自分自身に対し、また他人に対して、自分の悪いところを正しく認めます。 これらの性格上の欠陥をすべて取り除いてもらうための、心の準備が完全にできました。 謙虚な気持ちになって、欠点を取り除くことができますようにと願います。 自分が傷つけた人たちすべてのリストをつくり、その人たちに進んで償いをしようと思います。 傷つけてしまった相手には、できるだけみずからの手で償いをします。ただし、それによって相手や他の人間を傷つけることがないようにします。 引きつづき自己評価を行い、自分が悪いと思ったらすぐにそれを認めます。 祈りと瞑想をとおして神にもっと深くふれるよう努め、その意思を知り、それを実行する力を授けてもらうためにひたすら祈りをささげます。 これまでのステップをとおして精神的な目覚めを体験したら、同じような悩みをもつほかの人にもそのメッセージを伝え、この「12のステツプ」をあらゆることにあてはめて実践するよう心がけます。ツワルスキー(笹野洋子訳) 1)
THE TWELVE STEPS
We admitted we were powerless (over alcohol, narcotics, food, gambling, and so on) that our lives had become unmanageable. We came to believe that a Power greater than ourselves could restore us to sanity. We made a decision to turn our will and our lives over to the care of God as we understood Him. We made a searching and fearless moral inventory of ourselves. We admitted to God, to ourselves, and to another human being the exact nature of our wrongs. We were entirely ready to have God remove all these defects of character. We humbly asked Him to remove our shortcomings. We made a list of all persons we had harmed, and became willing to make amends to them all. We made direct amends to such people wherever possible, except when to do so would injure them or others. We continued to take personal inventory and when we were wrong promptly admitted it. We sought through prayer and meditation to improve our conscious contact with God, as we understood Him, praying only for knowledge of His will for us and the power to carry that out. Having had a spiritual awakening as the result of these Steps, we tried to carry this message (to alcoholics, drug addicts, gamblers, food addicts, and the like) and to practice these principles in all our affairs.Twerski 2)
変更点
原文はAAの12のステップをほぼそのまま踏襲しているのに対し、訳文は「神」という言葉を避けてスピリチュアリティを取り除き、自己啓発的な文章に仕立て上げられている。
エイブラハム・J・ツワルスキー(Abraham J. Twerski, 1930-)
アメリカの著名な精神科医。ユダヤ教の正式なラビ(教師)である。ペンシルベニア州のゲートウェイリハビリセンターを創設。同センターのメディカル・ディレクターとして活躍中。 まにあうよ、いまからでも, 奥付の著者紹介