http://sankei.jp.msn.com/science/news/110822/scn11082211210001-n1.htm (魚拓)
2011.8.22 11:19
微小なリボ核酸(マイクロRNA)の一種が脳の記憶に関わる海馬の神経回路や目の網膜の神経の形成に関わることを、大阪バイオサイエンス研究所(大阪府)や名古屋大、京都大のチームがマウスで突き止めた。21日付の米科学誌ネイチャーニューロサイエンス電子版に掲載された。
マイクロRNAはタンパク質をつくらないRNAで、遺伝子の働きを調節。チームによると、神経回路の形成にマイクロRNAが関わるのを示したのは世界初。
同研究所の古川貴久研究部長は「てんかんや自閉症などの神経疾患の原因究明や神経の再生医療につながる」としている。
チームは脳に多いマイクロRNA「miR-124a」を働かなくしたマウスをつくり、解析。
脳が小さく、海馬の神経細胞が通常とは異なる細胞と結びつき神経回路が異常になったほか、網膜で視力と色覚に関わる神経細胞が死んでいた。
脳などがつくられる際に働き、本来なら成熟とともに働かなくなる遺伝子「Lhx2」が作用し続けており、miR-124aが働くことができなかったことで、この遺伝子を抑えられなくなったのが神経の異常につながったという。
通常のマウスの海馬(左)と神経回路が異常になった(矢印)「miR-124a」を働かなくしたマウスの海馬(大阪バイオサイエンス研究所の古川貴久研究部長提供)
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