ビル・Wに問う (29) アピール権

『ビル・Wに問う』の第29回です。


Q29:アピール権1)はどんな目的を果たしているのでしょうか?

A29:百年以上前のことですが、フランス革命 で破滅したフランスの男爵ド・トクヴィルが、家族を伴ってこの国へやってきました。彼は民主主義の敬虔な信奉者でした。当時は、民主主義とは人々の考えが過半数票として示されるもの、とみなされていたのです。彼も、多数派の力によって示された民主主義の精神を高く評価していました。ですが、トクヴィルはこうも言っています。多数派は無知にも、残忍にも、専制的にもなり得るし、実際その通りだと。それゆえに、少数派の意見が聞かれ、少数派が他とは異なる権利を持つことを確実にして、その大小にかかわらず少数派を保護しなければ、民主主義は機能しなくなり、その精神は死に絶えるだろうと。それがド・トクヴィルの予言であり、現代を考えれば、こんにち彼の著作が広く読まれていないのは不思議なことです。

それが、この評議会で私たちができる限り満場一致を得ようとする理由です。また、評議会が常任理事会に命じるには3分の2の得票が必要な理由です。ですが、それだけではありません。評議員でも、常任理事でも、職員でも、法人の理事でも、理事会でも委員会でも、誰であれ少数派が存在したとき、その意見がはっきりと取り上げられるように、その少数派が反対意見を表明する権利が常に存在するべきです。そしてそうした少数派の意見の中に、たとえそれが一人の意見だったとしても、もし多数派が軽率あるいは怒りから何らかの行動を起こそうとしていて、それがアルコホーリクス・アノニマスに深刻な不利益をもたらしうる場合ならば、少数派に与えられているのはアピールの権利ではなく、それは彼らの義務なのです。

ですから、ド・トクヴィルのように、皆さんも私も多数派による専制も、少数派による専制も望みません。ここでは、両者の関係のバランスを取る手順が踏まれるのです(1960年、ゼネラル・サービス評議会)


  1. 概念3 – われわれの機構全体を通じて、少数意見が聴かれ、個人的苦情が慎重に考慮されるよう、伝統的な「アピール権」が行き渡っていなければならない。 []