アルコホーリクス・アノニマス
アルコホーリクス・アノニマス — Alcoholics Anonymous
略してAAとも。「無名のアルコホーリクたち」の意。アルコホーリクの共同体で、その目的はソブラエティ(断酒)である。
AAは職業化せず、外部に経済的援助を求めず、政治に関心を持たない。メンバーになるための条件は「酒をやめたいという願い」だけである。AAの回復のプログラムは12のステップに要約されている。
共同創始者の一人ビル・Wは、1933年の秋にニューヨークのチャールズ・B・タウンズ病院に入院し、ウィリアム・D・シルクワース医師からアルコリズムという病気の本質を教えられた。1934年11月、ビルはオックスフォード・グループにいた友人エビー・Tから、そのグループの持っている宗教的な原理によってこの病気が解決できると教えられた。ビルはその後にタウンズ病院への4回目の入院をし、病室の中で宗教的体験(霊的体験)を経て酒をやめ、他のアルコホーリクが酒をやめる手助けを始めた。約半年間成果は得られなかったが、ビルやエビーは酒をやめ続けることが出来た。1)
翌35年の5月12日、オハイオ州アクロンに出張していたビル・Wは、アルコホーリクの医師ドクター・ボブと出会った。ボブはすでにオックスフォード・グループに加わっていたが、そのプログラムを実践できずに飲み続けていた。ビルとの会話によって、ボブはいったん酒をやめたが、翌月に再飲酒し、そのことでプログラムに取り組む意欲がもたらされた。AAはドクター・ボブがプログラムを実践し始めた1935年6月10日を公式な創設の日としている(ドクター・ボブがもう一人の共同創始者である)。エビー、ビル、ボブら初期のメンバーらはオックスフォード・グループの一部として活動していたが、1937~39年にそこから分離し、独立した団体となってAAが成立した。2) 3) またこの分離の過程でAAは非宗教化が進み、「宗教ではない」と主張するようになった。
1939年4月に、12のステップを説明した基本テキスト Alcoholics Anonymous: The Story of How More Than One Hundred Men Have Recovered From Alcoholism を出版し、この書名が共同体の名前となった。区別するために、同書はビッグブックという愛称で呼ばれている。日本語訳は『アルコホーリクス・アノニマス』。
1946年には12の伝統が、また1962年には12の概念が定式化された。
2019年1月時点で、全世界に約213万人4)、日本には約5千人のメンバーがいると推定される。
アディクションの相互支援グループとして、また12ステップグループとして代表的な存在である。
アルコール・ドラッグ用語集:
・アルコホーリクス・アノニマス (AA)
→相互支援グループ
・12ステップグループ
外部リンク:
・アルコホーリクス・アノニマス ・Alcoholics Anonymous
・アルコホーリクス・アノニマス・Alcoholics Anonymous
映像:
・Videos for Professionals with Subtitles (alcoholics-anonymous.org.uk)
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