雑感 (10) コロナの現況

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新型コロナの軽症化は起きているのか

新型コロナウィルスの話を書くのはこれで4回目です。実はビッグブックのスタディよりも、コロナの話題のほうがずっとアクセス数が多いという、ブログを書いている本人としてはトホホなのですが、それでも、僕自身の関心を記録しておくためにも、コロナの記事は時々書いていこうと思っています。

春休み前に学校が休校になった頃から数えれば、新型コロナの影響下で暮してもう半年になりました。毎日何かしら新型コロナ関係のニュースが流れていて、もはやそれに驚きを感じなくなってきています。

検査陽性者数推移
検査陽性者数, from 東洋経済オンライン「新型コロナウイルス国内感染の状況」 (以下同)

これは新規感染者数のグラフです。東洋経済オンラインのインフォグラフを持ってきました。左端が3月初め、右端が9月12日です。これを見ると、4月以降の第1波よりも、7月以降の第2波のほうが、ずっと感染者数が多くなっています。(第1波が最大700人弱/日だったのに対し、第2波は最大1,600人弱/日)。しかし、実は第2波の重傷者数と死者数は、第1波を越えていませんでした。

重症者数
重症者数
死亡者数
死亡者数

この二つのグラフは、上の陽性者数のグラフと横軸(時間軸)を合わせてありますが、縦軸のスケールは違いますのでご注意ください。ニュースでは主に感染者数が報じられますが、感染拡大の規模を評価するのには、陽性者数ではなく、重傷者数や死者数を見た方が良いでしょう。これを見ると、第2波は第1波ほどではなかったものの、それに近いところまで達したことがわかります。

単純に計算すれば、重症化率・致死率ともに第1波より第2波のほうが低くなったわけですが、これがウィルスの弱毒化を示しているのかどうかは分かりません。PCR検査のハードルを下げ、検査数を増やした(約3倍)おかげで分母が大きくなり、重症化率・致死率が下がってきただけかもしれません。ともあれ、軽症化の進行は見かけだけであったとしても、現在の数字のほうがより実態に近いと思われます。

年齢別の陽性者数
年齢別の陽性者数, from 東洋経済オンライン

PCR検査数を増やしたこと以外に、重症化率を下げた要因を探してみると、第2波では陽性者が若者に偏っていることが挙げられます。20代では陽性者が2万人以上であるのに対し、死亡は2名のみ。死亡率0.01%以下ならば、自分が高いリスクにさらされていると考える人はいないでしょう。一方で、死者は60代以上に集中していて、高齢者にとっては行動を自粛する十分な理由になります。陽性者数の年齢別分布と人口ピラミッドを並べてみれば、そのことがよく分ります。

日本では年齢層が上がるほど経済的余裕が増えるので(年寄りほど金持ち)、高齢者が行動(=消費)を自粛していると景気が上向いてくれないのが困ったことです。また、民主的な選挙が行われる国(日本も含む)では政治的リーダーは選挙民の意向を大事にしなければなりませんが、高齢化が進んでいる日本では、大票田である高齢者のコロナリスクを低減する政策が優先されることになります。そのせいで経済が停滞したとしても、年金収入がメインの高齢者にはすぐに影響がでませんし、実体経済がどうであれ株価が維持されているのであれば富裕層にとっても不都合ありません。

一方で働いて稼がなければならない現役世代としては、景気対策を優先して欲しいわけですが、安全・安心が優先されてしまうことに、次第に現役世代の不満が高まっている、というのが現状ではないでしょうか。日本で深刻な世代間対立が起きても不思議ではないと思うのですが、なぜそうならないのか。勉強不足で僕には分かりません。

深刻感が薄れているのは日本だけではない

前回も使った Financial Times のデータを使いますが、先進諸国の多くで7月までに超過死亡が解消しています。超過死亡とは死因を問わず、過去の同時期より死者が増加した数です。それが元に戻ったということは、何であれ先進諸国ではコロナに対応できてきていることを示しています。

超過死亡のグラフ
各国の超過死亡(一部), from Coronavirus tracked (Financial Times)

では、現在新型コロナが深刻な状況なのはどこかというと、下のグラフで分かるとおり、死者の4割はラテンアメリカに集中しています。(検査態勢が整っていないのでデータには出てきませんが、おそらく同じく南半球にあるアフリカも深刻な状況ではないかと思われます)。オーストラリアはそれほどひどい状態ではありませんが、メルボルンのロックダウンは3ヶ月目に入りました。

世界の死亡者分布
世界の死亡者分布, from Coronavirus tracked (Financial Times)

上気道炎のウィルスは冬場のほうが感染が拡大しやすい、というのはやはり新型コロナウイルスにもあてはまると考えた方が良さそうです。となると、北半球の先進諸国でコロナに対応できているのは、マスクや消毒、ソーシャルディスタンスや行動制限が十分な効果を上げたから、とも言い切れず、暑い時期だったおかげもあるのかもしれません。本当に対応できているのかどうかは、今年の冬になって北半球で超過死亡が増えるかどうかを見なければ判断できません。

どれぐらい深刻に捉えれば良いか

深刻に捉えすぎれば経済が停滞するし、軽視してしまえば医療崩壊が起こります。どれぐらい深刻に捉えるのが適切なのでしょうか。新型コロナのような未知の脅威に対しては正解をあらかじめ知ることはできません。しかし正解がわからなくても、誰かがそれを決めねばなりません。中国のような強権的な国ではリーダーがそれを決めますし、民主的な国家では民主的な手段で政策が決定されます。

政治に対する不満は誰にでもあるでしょうが、日本でもそれなりに民主的なプロセスによって政策が選択されています。だから、現在の日本の政策が新型コロナの脅威を大きく捉えているとすれば、それは国民の意向によるものです。そこには、上に述べたような高齢化社会の影響もあるでしょうし、自由や平等よりも安心・安全を求める日本国民の特性も反映されているでしょう(この特性についてはまた別に書こうと思います)

現在の各国の政策選択は、どちらかというと経済を犠牲にしても医療崩壊を防ぐことを重視しています。本当はもう少し経済優先にしたいところなのでしょうが、初動を間違えたために、生命優先にせざるを得ないという面があるように思われます。

僕はテレビの録画がハードディスクに溜まっていて、半年ぐらい前に録画したものを見ています。2月下旬の経済ニュースを見たところ、アメリカの経済予測は新型コロナがアメリカ国内に蔓延することをまったく予想していませんでした。影響があるとすれば世界の工場たる中国での生産の停滞が下振れ要因になるぐらい・・・というお気楽なものでした。この頃はドナルド・トランプ ボリス・ジョンソン も、コロナについては強気の発言を繰り返していました。

アメリカ・イギリス・フランスの死者の推移
アメリカ・イギリス・フランスの死者の推移, from Coronavirus tracked (FInancial Times)

上のグラフは、Financial Times から、アメリカ・イギリス・フランスの死者数のグラフです(縦軸は対数表示)。このグラフにあるように、その後、3月に入るとあっという間に感染が拡大し、数週間後には死者が毎日千人、二千人という状態になってしまいました。こうなってしまうと、いつまでも強気な発言はしていられません。脅威を大きく捉えなければ、生命軽視という非難を受けてしまいます。最初の強気の発言が、反動としての脅威の大きな評価をもたらし、政策選択の幅を狭めたと言えます。

新型コロナの感染力はインフルエンザより強い

新型コロナウイルスの弱毒化は進んでいるのでしょうか? 日本では重症化率・致死率とも下がっていて、他の先進諸国でも同様ですが、これらの数字は検査の母数を増やせば下がりますし、高齢者が行動を控えれば下がるので、弱毒化を反映しているとは限りません。

ただし、感染力についてはインフルエンザウィルスより強いとは言えそうです。下の図は、インフルエンザの患者報告者数です。赤い線が去年から今年にかけての流行です。インフルエンザは例年1月か2月にピークを迎え、3月・4月にかけてゆっくりと減少していきます。ところが今年は1月にピークがなく、2月から減少を初めて、3月の上旬には終息しています。

インフルエンザ患者報告数
インフルエンザ患者報告数, from 東京都インフルエンザ情報(2019-2020年シーズン)

2月から新型コロナ対策として、うがい・手洗い・マスクが奨励されました。これらは当然インフルエンザの予防にも効果があります。皆がこれらを励行したおかげで、3月には今期のインフルエンザは終息してしまいました。「みんな、やればできるじゃない」と近所の内科クリニックの看護師さんが言っていましたが、毎年これぐらい皆が熱心にやっていれば、インフルエンザに罹る人もぐっと減るでしょうに。

ところが、インフルエンザは終息しても、新型コロナは3月以降も感染拡大を続け、緊急事態宣言が出されるに至りました。これは、新型コロナはインフルエンザよりもずっと感染力が強いからだと考えられます。

新型コロナの感染力の強さは、インフルエンザ以上の対策が必要だという論拠になるでしょう。

自殺統計

警察庁は毎月の自殺者数を発表しています「自殺者数」警察庁。年度内は速報値で、過年度はその後の調査を反映した数字が発表されます。グラフにしてみました。

月別自殺者数
月別自殺者数, from 自殺者数 (警察庁)

灰色の線は2015~19年の5年間の平均値。オレンジの線は2019年の数値。そして水色が2020年です(これは速報値)。毎年3月と5月は自殺者が増えます(3月は厚生労働省の自殺対策強化月間になっている)

今年は5月のピークがなく、4月・5月は昨年より約300人少なく推移しました。これは学校が休校になったり、在宅勤務が推進されて、学校や職場の人間関係からある程度切り離されたことによる、という解釈があります。

しかし、6月・7月と昨年の数字に近づき、ついに8月は逆に200人以上多くなりました。これは非正規雇用の人たちが3月末で雇い止めになったり、歩合制や自営業の人たちの仕事が減少した結果、経済的苦境に陥った人たちの自殺が増えているという可能性が高いです。

2011年の自殺者数
2011年の自殺者数, from 自殺者数 (警察庁)

2011年の東北大震災 の際には、4月以降の数字が増えました。大震災の2ヶ月後の5月には千人以上増加し、その後も半年ほど多い状態が続きました。

2008年のリーマンショック の時の月別データがないかと探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。あの時、リーマン・ブラザーズ の破綻は9月でしたが、その影響が数字となってはっきり現れたのが翌2009年3月の決算期で、本格的な不景気はその後でした。今回は景気はどうなるのか。ひとまず企業の9月決算が発表されるあたりで見えてくるのではないかと思っています。感染拡大も不景気風も冬が本番かもしれません。

2020-09-19その他,日々雑記

Posted by ragi