ビル・Wに問う (28) ドラッグ・アディクトとAA

『ビル・Wに問う』の第28回です。


Q28:AAにはドラッグ・アディクトがどれぐらいいるでしょうか、またAAに似たドラッグ・アディクトの集まりにはどれぐらいいるのでしょうか?

A28:AAにはかつてはアルコホーリクだったというドラッグ・アディクトが極めてたくさんいます。これまでのところ、私たちが純粋なドラッグ・アディクションにアプローチできたというケースは一つも知りません。言い換えれば、(アルコホーリクでない)アウトサイダーが私たちにアプローチできる程度にしか、私たちは純粋なドラッグ・アディクトにアプローチできないのです。私たちの彼らに対する立場は、アルコホーリクに対する医師や聖職者の立場とまったく同じです。私たちは彼らの言葉を話しません。だから彼らは私たちを見てこう言うでしょう。「アルコホーリクは人間のクズだ。おまけに、連中は(ドラッグ・)アディクションの何を知っているっていうんだ?」

ですが、私たちの中にはかつてアルコーリクだったというアディクトがかなりの人数いて、そうしたアディクトたちが自分の番になったときに、純然たるアディクトにメッセージをあちこちで運んでいます。そのようにして橋が渡されることを私たちは願っています。すでに助けを受けたという人はほうぼうにいるでしょう。かつてアルコホーリクだったモルヒネ・アディクトで、AAで助かったという人は全体でおよそ50人はいるのではないでしょうか。もちろん、バルビタールを使っていたという人もとてもたくさんいます。彼らがその問題も解決しよう思ったときに、特に困難があるとは思っていません。それがアルコールと関連している場合には特にそうです。彼らは(酒を止めた後)しばらくしてバルビタールも止めていきます。ですが、モルヒネやその派生物を使っていた場合には、止めるのはとても難しいことです。「麻薬」を使う人たちには「麻薬」の話をする必要があります。いつの日か、アディクトたちに向かって橋が渡される日が来ることを願っています。(1945年6月、イェール・サマー・スクール・オブ・アルコール・スタディ)

1940年代なかばから50年代にかけて、アメリカ各地で、アルコールと薬物の両方の問題を持った人たちがAAのなかで回復し、薬物のグループを作っていった。いくつものグループが消長を繰り返した後に、最終的に現在のナルコティクス・アノニマス(NA)として組織された。1)

  1. ウィリアム・L・ホワイト(鈴木美保子他訳)『米国アディクション列伝 アメリカにおけるアディクション治療と回復の歴史』, ジャパンマック, 2007, pp.252-254 ― なお、原著の第二版(2014)においてNAに関するセクションは大幅に加筆され、独立した章となった。 []

2021-03-16ビル・Wに問う,日々雑記サービス

Posted by ragi