原因と症候
症候 (symptom)とは、おもてに現われてくる症状です。例えば、インフルエンザにかかると、熱が出て、鼻水や咳が出て、頭痛や筋肉痛や悪寒という症候が出ます。しかしその原因はインフルエンザウィルスです。解熱剤や抗炎症薬が処方されることがありますが、それは前述の症状を抑えるためのものです(対症療法 )。原因であるウィルスを除去するには、抗ウィルス薬が必要です(原因療法 )。
断酒をするには、酒を飲まないための様々な工夫が有効です。だがそれは、対症療法・姑息的治療 にすぎず、原因を取り除いているわけではありません。私たちが安定したソブラエティを得るためには、自分の中にある原因を探り当てる必要があるのです。
アルコホリズムへの解決方法として12のステップが公表されたのは1939年のことでした。それ以降、12ステップの適用範囲はアルコール以外の薬物やギャンブルなどの様々なアディクションや、共依存やACなど、幅広い分野に広がっていきました。なぜ12ステップがそのように広範な問題に適用できるのかと言えば、それは個々の症候(おもてに出てくるもの)にアプローチするのではなく、それらの原因にアプローチしているからです。
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