ビッグブックのスタディ(23) 医師の意見 14

結論から先に述べておくと、今回の話は、

アルコール依存症の人すべてがAAの対象

という話です。

前回は、嗜癖と依存の歴史的変遷をたどりながら、医学が対象を広げてきた様子を見てきました。今回の話は、それをお読みになっていることを前提として進めていきます。

今回は、AAアルコホリズムの疾病概念と、医学的なアルコール依存症の診断基準を比較することから始めます。

AAにおけるアルコホリズムの疾病概念

これまで説明してきたように、身体のアレルギーと精神の強迫観念がアルコホリズムの特徴である、というのがAAの考えです。

ビッグブックの第四章の冒頭に、こうあります:

・・・アルコホーリクとアルコホーリクでない人間の違いもはっきりしたと思う。あなたが本気で酒をやめたいと思っているのに、きっぱりやめられないようなら、あるいは飲んでいて酒量がコントロールできないようなら、おそらくあなたはアルコホーリクだろう。1)


… We hope we have made clear the distinction between the alcoholic and the non alcoholic. If, when you honestly want to, you find you cannot quit entirely, or if when drinking, you have little control over the amount you take, you are probably alcoholic.2)

「本気で酒をやめたいと思っているのに、きっぱりやめられない」というのは、やめているのにスリップしてしまうことですから、これは精神の強迫観念を意味します。「飲んでいて酒量がコントロールできない」というのは、身体的アレルギーによる(身体的)渇望によるものです。

つまり、身体のアレルギーと精神の強迫観念の有無が、アルコホーリクとノン・アルコホーリクを明確に区別する基準だということです。これがAAにおけるアルコホリズムの診断基準だと言い換えることもできます。

医学的な診断基準

では、医学的にはどういう基準で決めているのでしょうか。日本では現在、WHO世界保健機関 が決めたICD-10が使われています:

アルコール依存症候群(F10.2)
過去1年間のある期間に、次の項目のうち3つ以上がともに存在した場合:

    1. アルコールを飲みたいという強い欲望あるいは強迫感
    2. 飲酒の開始終了、あるいは飲酒量に関して、その飲酒行動を統制することが困難
    3. 飲酒を中止もしくは減量したときの生理学的離脱状態。
    4. はじめはより少量で得られたアルコールの効果を得るために、飲酒量をふやさなければならないような耐性の証拠。
    5. 飲酒のために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになり、飲酒せざるをえない時間や、その効果からの回復に要する時間が延長する。
    6. 明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、いぜんとして飲酒する。

これは、依存症候群(F1x.2)の診断ガイドラインを元に、「物質」をアルコールに、「物質使用」を飲酒に置き換えて作成したものです。
依存症の診断基準(ICD-10)

これをAAの基準と比較してみると、まずaとbは

    • aの強迫感(compulsion) → アレルギー(身体的渇望)
    • bの飲酒の開始の統制困難 → 強迫観念
    • bの飲酒量と飲酒の終了の統制困難 → アレルギー(身体的渇望)

このように対応していると考えると、aとbはAAの使っている基準とかなり重なっていると言えますが、厳密に一致しているとも言えません。

一方、残りの四つはAAの基準とは対応しません。

cとdは前回取り上げた身体的依存です。cは離脱、dは耐性です。そして、eとfは行動の障害と呼ばれるものです。

aからfのうち三つが同時に存在すれば、アルコール依存症と診断できます。aとbの二つが含まれていなくても、アルコール依存症と診断されうるわけですが、AAからしてみれば、その人はノン・アルコホーリクに分類されます。

このような、アルコール依存症だけれど、アルコホリズムには至っていない人が存在するわけです。言い換えれば、その人はアルコール依存症者であるけれども、アルコホーリクではないのです。

なぜ、アルコホリズムとアルコール依存症とで、このようなズレが生じるかというと、前回説明したように、医学が数十年にわたって対象範囲を広げてきたからです。

医学的な依存症・乱用というカテゴリと、AAの使うアルコホリズムという概念の関係性を図にしてみると、このようになります。WHOの専門家委員会が嗜癖と習慣を区別しようと苦労していた時代(1950年代)は、AAのアルコホリズムの概念と医学のアルコール嗜癖(alcohol addiction)の間に大きなズレはなかったでしょう。それは、この図のなかで、最も濃い赤で示しています。

アルコホリズムと医学的な診断名の関係
注:依存と乱用の区別はDSM-IVのもの。アルコール依存症候群と有害な使用はICD-10での名称。

時代が下って、操作的診断基準が作られると、依存症に含まれる対象は広がりました。さらに乱用(有害な使用)というカテゴリが設けられると、その段階の人も治療の対象となっていきました。

アルコホリズムと医学的な診断名の関係

こちらの図は描き方を変えてあります。先ほどの図の同心円が山岳地図の等高線のように見えるので、全体を山のように描写しました。アルコホーリクというのは、この山を麓から登り続け、ついに山頂(近く)まで登り詰めた努力家たちである、と言えます。

現在では、比較的色の薄い山の中腹にいる人たちまでAAに来るようになりましたが、それは「AAがアルコールに問題を抱えた人すべてを対象にしている」という誤解からです。実際のところは、AAはその名前が示すとおり、アルコホーリクの集まり、つまり山頂近くの赤黒く塗られたところの人たちのためのものです。

進行性で、治らない病気

では、AAがアルコホリズムについて使っている概念について点検してみましょう。ビッグブックにはこうあります:

  • アルコホリズムは進行性の病気であるBB, p.46)
  • アルコホーリクはふつうに飲めるようにはならない(p.46)
  • 一度アルコホーリクになったら一生アルコホーリクである(p.49)

これは、アルコホリズムという病気は進行性で、治癒不能な病気であることを表現しています。この考え方は、AAの中で広く共有されています。

進行性とは、この山を登ってきたということです。多くのアルコホーリクは、普通に酒を飲んでいた時期(麓にいた時期)があったはずです。

「普通に飲めるようにならない」とか「一生アルコホーリク」というのは、いったんこの赤黒いエリアまで上り詰めてしまったら、麓に下ることができず、山頂付近に留まるしかない、ということです。

AAにはメンバーたちの膨大な経験が蓄積されています。徐々に飲酒のコントロールが失われてきた経験や、普通に飲めるかどうか自ら実験をしてみてやっぱりダメだったという経験や、10年・20年とやめ続けていてもスリップすれば元の悲惨な状態に戻ってしまったという経験が積み重ねられているので、アルコホリズムは進行性かつ治癒不能という考えは、多くのAAメンバーが真実と見なしています。

しかし、まだアルコホリズムに至っていない、山の中腹にいる人たちはどうでしょうか。その人がアルコール依存症という診断を受けていたとしても、まだアルコホリズムの段階に至っていないのであれば、山を下って一般的な飲酒に戻れるかもしれません。下山できないまでも、中腹に留まり続けるかもしれません。そうであるならば、減酒療法は意味があります。AAは「一人では回復できない」BB, p.139)と言いますが、それはアルコホーリクについて言っているのであって、中腹にいる人に対して、一人で減酒や断酒ができる可能性を否定しているわけではありません。もちろん、自助努力にも関わらず、山を登り続けてしまう人も多くいるでしょう――どんな病気であれ、病気の進行は本人の希望に反して起こるものですから。

疫学調査

Dawsonらが2005年に発表した Recovery from DSM-IV alcohol dependence: United States, 2001-2002 という論文を取り上げます。3)れはアメリカで行われたアルコールについての疫学調査で、43,493人に対して面接調査を行ったものです。この種の調査に関わった経験のある人は、4万人の面接調査という規模がいかに大きいかが分かるでしょう。

この43,493人のうち、過去(調査の前々年まで)DSM-IVのアルコール依存の基準を満たしたことのある人が4,422人でした。約1割の人がアルコール依存を経験しているあたり、やはりアメリカのアルコール問題は深刻です(日本と比べて)。この4,422人について、アルコール依存の基準を満たしてからの「経過年数」と、「調査の前年の飲酒状態」をグラフにしたのが下図です。

Total

棒グラフは左から、経過年数が5年未満、5~9年、10~19年、20年以上、となっています。色分けは、赤は依存の基準を満たした状態、オレンジは部分寛解4)、黄色は診断基準には引っかからないけれど高リスク飲酒、水色は低リスク飲酒、そして緑が断酒です。高リスク飲酒かどうかの基準は、男性は一週間に14ドリンク以上、女性は7ドリンク以上の飲酒をするかどうかです(アメリカの場合1ドリンクは14gの純アルコール)

5年未満は赤とオレンジの部分が大きく、酒を飲んでいる人が多い様子がわかります。20年以上になると、33.6%が断酒しています(緑)。注目すべきは、27.4%の人が低リスク飲酒になっていることです。これを正常飲酒と解釈すれば、アルコール依存になっても「ふつうに飲めるようになる」人たちがいることを否定できません

もう少し詳しく見てみましょう。実のところ、この4,422人のうち、治療を受けた経験のある人は25.5%にすぎません。治療経験のある人たちだけのグラフが下図です。

治療群

治療群は断酒率が高い(緑の部分が大きい)です。特に20年以上だと56.1%が断酒しています。ただ、これは追跡調査ではなく断面調査なので、20年になる前に死亡した人たちは右端の棒グラフの母数に入りません。このことから、アルコール依存になっても、治療を続け、、半分以上の人が酒をやめると言えます。

(ちなみに、この論文を紹介してくださった医師は、自分の担当する患者さんたちが、20年後に半分以上酒をやめているとは思えない、とおっしゃってました。・・・それはやめられずに死んでいく人がそれだけ多いということでありましょう)。

未治療群

一方こちらは、未治療群。20年以上のところを見ると、24.5%が断酒していますが、それ以上に、32.8%が低リスク飲酒に戻っていることが目を引きます。

治療群と未治療群の差をどう解釈すべきでしょうか。論文には、治療を受ける人たちは、受けない人たちに比べて重度の人が多いという説明があります。先行研究でも、clinical sample(臨床例)のほうが general population sample より重度に偏ることが分かっています。

論文はアブストラクトだけでなく全文が無料でダウンロードできるので、興味のある方はご覧になってください。

DSM-IVのマニュアルにはこんな記述があります:

臨床家は,現に治療を受けにくる者が長年にわたる重度のアルコール関連問題を抱えていることが典型的であるという事実から,アルコ一ル依存と乱用が手に負えない障害であるという印象を持ちやすい.しかしながら,これらの最も重度の症例はアルコール依存または乱用をもつ者のほんの一部を代表しているに過ぎず,典型的なアルコール使用障害の者の予後ははるかに良いのである.予後研究では,良好な機能を持つ者は治療後の1年間の断酒率は65%以上を示している.アルコール依存の者の中には,積極的な治療を受けていなくても断酒が長期にわたって続くものがいる(おそらく20%以上).『DSM-IV 精神疾患の診断・統計マニュアル』5)

DSM-5にも同様の記述があります。6)

入院治療が主流だった時代に行われた臨床例の追跡調査では、退院後の断酒維持率は急速に低下し1年後の断酒維持率は4分の1程度7)、10年後の生存率は約5割というものでした。8) そこから導き出されるのは、回復困難な過酷な病気の姿です。

ところが、一般集団を対象とした社会調査から見えてくるのは、治療しなくても自然回復があり得る、それどころか治癒さえあり得るという病気の姿です。

この食い違いは、(特に入院治療を必要とする)臨床例の重症度が重度に偏っていることによるもの、と解釈するのが最も自然でしょう。

AAの言う進行性の病気や治癒不能という考えが、虚偽ではなくであるならば、それが当てはまるのは「最も重度の症例」に限られるわけです。AAではこの人たちをアルコホーリクと呼んでいるのです。

ところが、進行性の病気や治癒不能という考えをアルコール依存症全体に当てはめると、それは真実ではなくなってしまいます

アルコホリズム=アルコール依存症ではないし、アルコホーリク=アルコール依存症者でもない、ということはキモに命じておく必要があります。

AAはアルコホーリクを対象にしている

僕がAAにつながったときはまだ31歳だったので、年上の人たちから「まだ若いのに、AAに来るのは早すぎるんじゃないの?」と言われました。それは、僕がまだアルコホリズムに至っていないのではないか、という疑問だったのでしょう。幸い(?)僕は重症でAAに相応ふさわしいとすぐに認めてもらえたのですが・・・。

「AAは酒飲みが最後にたどり着く場所だ」と言われました。そこに至る前に、他の手段で酒をやめることができれば(あるいは量を減らすことができれば)その人はAAにやってこないのだと。確かに、山頂より上には行けないのですから、僕らは最後の場所にいるわけです。

「あなたはAAに来るのはまだ早い」とか「もっと酒を飲んでから来るところです」と言って、まだ中腹にいる人たちを拒む行為が12の伝統に反しているわけではありません。確かに伝統3は「酒をやめたいという願い」さえあればAAメンバーになれるとありますが、長文のほうを読めばメンバーシップを保証しているのはアルコホリズムにかかっている人だけだと分かります。

日本のAAは、alcoholismの訳語としてアルコール中毒を、alcoholicの訳語としてアルコール中毒者を長く使ってきました。これは医学がアルコール中毒という病名を使っていた時代でしたから、妥当な選択でした。しかし、医学がアルコール依存症という病名を採用し、それが1980~90年代に徐々に浸透していった結果、1990年代半ばになるとAAの出版物で使われているアルコール中毒という言葉が、いかにも時代遅れな印象を与えることになりました。

そこで、AAでもアルコール中毒を別の用語に置き換えるべきだという議論が起きました。当然ながらアルコール依存症という言葉も有力候補に挙がりましたが、採用されませんでした。それは、アルコール中毒=アルコール依存症ではないという考えからでした。アルコール中毒という用語を使い続けるという案も退けられ、最終的にアルコホリズム/アルコホーリクという一般にはあまり馴染みのないカタカナ語が選ばれました。それまでビッグブックは『無名のアルコール中毒者たち』という書名でしたが、これを期に『アルコホーリクス・アノニマス』となり「無名のアルコホーリクたち」という副題が付けられました。

それ以来、AAはアルコール依存症という言葉を避けてきました。言葉狩りをするほどの忌避ではありませんが、あえて依存症という言葉を使わなければならない場面を除いては、アルコホリズム/アルコホーリクを使ってきました。その珍しい例外と言えるものは、AA JSOのウェブサイトで、そのホームページには、2001年から16年間に渡って「無名のアルコール依存症者たち」という副題が明示されていました。

ネットにおけるAAの顔とでも言うべきホームページに「依存症」という言葉を使ったのは、多くの人が「アルコール依存症」で検索してAAのサイトを見つけていたからです。依存症という言葉を使わなければ、AAを見つけてもらえず、メッセージを運ぶチャンスが失われるから、というのがその理由でした。

その後、2017年夏に、ホームページの文言が「無名のアルコホーリクたち」に差し替えられ、現在に至っています。なぜその変更が行われたのか理由は分かりませんが、ともあれ、AAはアルコホーリクのためのものであって、アルコール依存症者のためのものではない、というメッセージ性を感じる変更ではあります。

決めるのは誰か?

最後に付け加えておきます。アルコール依存症という診断ができるのは、日本では医師の資格を持った人だけです。しかし、AAはアルコール依存症の診断を受けていることをメンバーシップの要件にして

なぜかと言えば、AAはアルコール依存症者ではなく、アルコホーリクを対象としているからです。そして、ステップ1に「認める」とあるように、自分がアルコホーリクであるかどうかは、自分で決めるしかない、というのがAAのスタンスです。その際の基準は、身体のアレルギーと精神の強迫観念です。この二つが当てはまるかどうかを自分で考え、自分で診断を下すのがAAのやり方です。

ステップ1は、自分がアルコール依存症だと認めろ、とは言っていません。自分がアルコホーリクであることを認めろ、と言っていますBB, p.45)

私たちは、自分がアルコホーリクだと認めることで、例のアルコール山の山頂の赤黒い場所にたどり着いていることを認めるのです。進行性で、治癒不能で、一人では回復できないという領域に踏み込んでいる自分を、自ら選び取っているのです。それは他の誰でもない、自分にしかできない選択です。逆に言えば、AAのメンバーになるために医師による診断は必要なく、自らアルコホーリクであることを選び取れば良いだけですし、実際そういうメンバーもいるのです。

AAのミーティングでの分かち合いの最初に、アイデンティファイ9)として「アルコール依存症の◯◯です」と名乗る人がいます。その人は医者からアルコール依存症だと診断を受けたからそう言っているのでしょう。ですが、医師の診断を受け入れることがステップ1ではありません。自らアルコホーリクであることを選び取るのがステップ1です。

だから、ステップ1を理解すると、おそらくこう名乗るようになるでしょう。「アルコホーリクの◯◯です」と。あるいは、古い呼び方の「アル中の◯◯」あるいは「アルコール中毒者の◯◯」ですと。

薬物やギャンブルはどうか?

同じことは薬物やギャンブルにも成り立ちます。

NAのテキストは一貫してaddiction/addictという言葉を使っており、薬物依存症という言葉は使いません。NAは薬物山の頂上付近に達したアディクトのためのものです。

GAのテキストも一貫してcompulsive gambler(強迫的ギャンブラー)という言葉を使っており、ギャンブル依存症という言葉は使っていません。そもそもギャンブル依存症という病気が存在するのでしょうか? DSM-5やIDC-11にあるのはギャンブル障害という病名で、これは物質使用障害で言えば乱用のレベルまで含んだ広いカテゴリです。そして、GAはギャンブル山の頂上付近に達した強迫的ギャンブラーのためのものです。

AAとNAとGAはそれぞれ別に発展し相違も多々ありますが、少なくともAAもNAもGAも、対象とする病気が進行性で、治癒不能で、一人では回復できないという考えを共有しています。10)11)12)13) しかし、依存症や物質使用障害やギャンブル障害の研究では、必ずしも進行性ではないし、自然治癒もあり得るし、一人で回復する人も多数いるという結果が示されています。その食い違いに戸惑う必要はありません。それは対象としている範囲の違いによるものです。そして、そのことからすると、普通に酒を飲んだり、ギャンブルが楽しめる人ところに戻れる人たちが、AAやGAに参加する必要がないのは明らかです。

一番良くないのは、その事実に目をつぶってしまうことです。確かに僕らは山頂付近にいます。これからも続々と登ってくる人たちがいることは間違いないのですが、中腹にいる人たちが全員が登ってくるわけではなく、そこに留まったり、降りていく人たちが存在するのは事実です。

それはともかく、ステップ1は重要な問いかけを私たちにもたらします。

  • 自分はアルコール依存症者なのか、それともアルコホーリク(アル中)なのか。
  • 自分は薬物依存症者なのか、それともアディクト(ヤク中)なのか。
  • 自分はギャンブル依存症者なのか、それとも強迫的ギャンブラーなのか。

選ぶのは自分です。

今回のまとめ
  • AAは身体のアレルギーと精神の強迫観念の有無をアルコホリズムの基準としている。
  • 医学の依存症などの診断基準はAAのものとは異なっていて、AAのものより範囲が広い。
  • アルコール依存症と診断されても、AAのアルコホリズムに当てはまら人もいる。
  • AAではアルコホリズムは進行性で、治癒不能で、一人では回復できない病気とされているが、それはアルコール依存症全体に当てはめられるものではない。
  • AAのステップ1は、医者が下したアルコール依存症という診断を受け入れるのではなく、自らをアルコホーリクと自分で診断を下すことを求めている。
  • それは、自分が進行性で、治癒不能で、一人では回復できない領域に至っていることを、自ら選び取ること。

  1. BB, p.65 []
  2. AA, Alcoholics Anonymous: The Story of How Many Thousands of Men and Women Have Recovered from Alcoholism, AAWS, 2001, p.44 []
  3. Deborah A. Dawson, et al., Recovery from DSM‐IV alcohol dependence: United States, 2001-2002, Alcohol Res Health, 2006, 29(2) pp.131–142. []
  4. 依存の基準は満たさないが、診断項目の少なくとも一つを満たしている状態。 []
  5. APA, 『DSM-IV 精神疾患の診断・統計マニュアル』, 医学書院, 1996, p.214 []
  6. APA, 『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』, 医学書院, 2014, p.486 []
  7. 長尾博, 『図表で学ぶアルコール依存症』, 星和書店, 2005, p.82 []
  8. 樋口進, 『アルコールと薬物依存』, 1987 — 原著が入手できないため、下記引用より 樋口進『平成21年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」資料』, 2010, 厚生労働省 []
  9. ミーティングでのスピーチの冒頭で述べられる言葉で、自分と他のメンバーとの共通点を確認するために、自らをアルコホーリクと名乗ること――identify。 []
  10. NA, 『ナルコティクス アノニマス』第5版日本語翻訳版, Narcotics Anonymous World Services, 2011, 第1章, 第3章 []
  11. GA, Sharing Recovery Through Gamblers Anonymous, Gamblers Anoymous, 2005, Chap. I, IV []
  12. GA, 『新しい始まり』, GA日本インフォメーションセンター, 2003 []
  13. GA, Towards the first 90 days, Gamblers Anonymous, pp.6-7 []