無神論者
無神論者 — atheist
神の存在を否定する人。無神論 (atheism ↔ 有神論 theism)の立場を取る人。
歴史的には、無神論は唯物論 (materialism)と結びついてきた。唯物論はその時代の自然科学の最新の成果を基盤として、決定論 の立場を取る。すなわち、先行する物質的条件と因果律に従って、未来に起こることはすべてあらかじめ決定されていると考えるのである。従って、人間の自由意志 の存在を認めない(人間の意志も人体の物質的な条件に従って決定されるから)。また、神仏や精霊のような非物質的存在を否定し、宇宙は物質法則によって決定されるとする。
唯物論の立場に立つことで「この宇宙を説明するのに神など要らない」(BB, p.72)という主張が行われ、また決定論の立場から「生命は何もないところから生まれ、なんの意味も持たず、行き先もない」(p.72)という主張が行われることになる。
霊的体験とは神の臨在が示されることなので、神の非存在を信じる無神論者にとっては、起こり得ない(=impossible, p.65)1)ことである。もちろん無神論者は神を信じることもできないし、ステップ2の「自分を超えた大きな力(=神)が、私たちを健康な心に戻してくれる」と信じることもできない。
そのため、無神論者にとってのステップ2は、「自分より偉大な力(=神)があることを信じる」のではなく、「信じてみようという気がある(be willing to believe)」となる(p.69)。すなわち、神の存在を信じることはできなくても、信じる意欲を持つことが、無神論者が回復にいたる道の第一歩なのである。
参照:
・不可知論
・ビッグブックのスタディ (41) ビルの物語 12
・ビッグブックのスタディ (74) 私たち不可知論者は 1
・ビッグブックのスタディ (78) 私たち不可知論者は 5
- 「我慢ができない」と訳されている。[↩]
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