雑感(6) コロナの影響を受けるAA

前回の雑記では予定通り開催としていたBig Book スタディ in 愛媛ですが、やはり中止になってしまいました。また、4月11日の福岡でのバック・トゥ・ベーシックス会場を飯塚市立岩交流センターに変更して行うことになりました 中止になりました。

ミーティング休止相次ぐAA

関東甲信越地域のAAミーティング会場一覧を見ると、東京近辺のAAミーティングは4分の3が休止になっています。1) 理由はもちろん新型コロナウィルスの影響によるものです。ミーティングだけではなく、週末に行われるイベント類も多くが中止になっています。

まずは新型コロナウイルスのAA活動に対する影響について、現在までの流れを簡単に振り返った上で、今後私たちがどうしていくべきかを考えてみたいと思います。かなり長くなります。

2月上旬までは対岸の火事だった

中国の武漢市 で「原因不明のウイルス性肺炎」の患者が相次いで見つかったと武漢市当局が発表したのが昨年の12月31日でした。これが日本のニュースメディアで新型肺炎が取り上げられた最初のはずです。

年が明けて、新型のコロナウイルスであることが判明し、香港で武漢帰りの人たちに発症が相次いだのが武漢以外での初の感染例でした。香港では慌てて警戒レベルを上げましたが、日本は成田空港に注意喚起のポスターを貼ったぐらいで何も規制はしていませんでした。武漢は人口1,100万人の大都市で、日本の自動車産業が進出しており、往来を規制しようという話は出ていませんでした。

武漢帰りの日本人に感染者が続出したのは予想の範囲内でしたが、武漢からのツアー客を乗せたバス運転手の感染が確認されたことで、日本でも「市中感染」が起きたと騒ぎになりました。それでもインバウンド消費 のことを考えると、一年で最も中国からの観光客が増える春節 の時期(今年は1月下旬)に入国を規制することにはなりませんでした。

ところが、中国のほうで春節に武漢を封鎖したので、日本政府はチャーター機を飛ばして日本人を帰国させ、勝浦のホテルに収容しました。武漢で初めての日本人死者が出たのもこの時期でした。横浜にやってきたクルーズ船が検疫のために二週間停泊し、毎日このニュースばかりになりましたが、AAメンバーにとって(そして多くの日本人にとっても)まだまだ対岸の火事という雰囲気でした。

中国では封鎖される都市がどんどん増えていき、外出禁止になり、学校はオンライン授業になり、買い物は家族の一人が一日に一回出られるだけになり、多くの職場が閉じられました。僕は中国からネット通販で安物をいろいろ買っているのですが、1月下旬から武漢に倉庫がある業者の出荷が止まっただけでなく、2月10日頃から他の業者の出荷もぴたりと止まってしまい、本当に中国は経済を止めたんだな、と実感した次第です。

この時点では、中国以外では例のクルーズ船が最大の感染集団でしたから、中国がなんとかウイルスを封じ込めてくれれば、SARS の時のように日本には大きな影響が及ばないという期待がありました。

2月中旬から不安が広がり、下旬には現実に

ところが、2月中旬には日本国内で感染経路が追えない市中感染が増え、感染拡大防止を理由に各地でイベントが中止になり始めました。下旬になるとプロ野球のオープン戦が無観客試合になり、Jリーグの公式戦が中止になりました。

3月20~22日に尼崎で、AA日本の45周年記念集会が開かれる予定でしたが、記念集会を中止する決定が下されたのが2月23日でした。2)

後日、決定が下された会議の議事録が各AAグループに配布されました。5年にいっぺんの大きなイベントでしたし、何年もかけて準備してきたわけですから、中止したくない気持ちは皆同じでした。しかし、会議では全会一致で中止が決まりました。なぜ彼らは気持ちとは裏腹に中止を選んだのでしょうか?

5年前の横浜での集会には二千人を越える人が集まりましたから、今回の尼崎にも同じぐらい集まる可能性がありました。会場で手洗いやマスクなどの対策をいくらやったところで、もし集団感染を起こしてしまえば、「イベントを強行した挙げ句に集団感染を起こした団体」として、社会的信用は失墜するでしょう。日本のAAは依存症回復の「社会資源」として認めてもらうのに大変苦労してきた歴史があります(いまでも苦労しています)。将来AAにつながるべき多くの仲間の命のためにも、冷静に中止を選んだ仲間たちの気持ちは、察するに余りあります。

少なくとも、直前になっての中止決定より、1ヶ月足らず残しての決定ができたことは良かったと思います。

ミーティングの休止が増えていった

記念集会中止の報が流れる頃、東京近辺で毎週行われているAAミーティング会場のいくつかが休止するという情報が伝わってきました。AAのミーティング会場は公民館などの部屋を借りているケースが多いのですが、キリスト教会の談話室などを借りている場合もあります。これは、日本でAAを始めた二人の神父が、知り合いの神父に頼んで教会の部屋をAAミーティングに貸してもらったことが始まりで、いまでもカトリック・プロテスタントを問わず多くの教会のお世話になっています。その教会でミサが中止されているという話でした。そうした教会で部屋を借りているグループからミーティング休止の情報が発せられました。

教会にとってミサは重要な活動なのに、それが中止になるのは余程のことです。理由を聞くわけにはいきませんが、思い当たることはありました。その少し前に、韓国で新興宗教の団体が集会で集団感染を起こし、それによって韓国内の感染者数が急増したために、強い非難を浴びていました。ソウル市はその団体の法人許可を「公益を害する」として取り消しています。

このことは、(少なくとも東アジアの文化の中では)集団感染を引き越した団体は、社会的信用が失墜し、活動が制限される可能性がある、ということを示しています。

3月に入ると、休止する会場が次第に増えていきました。僕の所属するホームグループも、週2回のミーティングはいずれも教会のお世話になっていたので、やはり休止になりました。中旬になって感染者数や死者数が目立って増えてくると、公民館などの公共施設の部屋を借りている会場でも休止が増え始め、25日に東京都知事が「不要不急の外出」を自粛する要請を出してからは、公共施設は軒並み使えなくなり、現在の4分の3のミーティングが休止している状態に至ったわけです。

休止を受け入れたAA

支援者のなかには、ミーティングは依存症者の回復の命綱なのだから、例外的にAAなどには貸してくれても良いではないか、とおっしゃる人も結構いるわけですが、当のAAメンバーたちはそう考えていない人のほうが多いでしょう。

それは別に、メンバーたちが自分たちのやっているミーティングを「不要不急のもの」と考えているわけではなく、「自分たちが特別扱いされるべき」とは期待していないだけのことです。

というのも、飲んでいる、あるいは回復前のアルコホーリクは、自分は特別であると考えているものだからです。その特別さは、特別に優れている・特別に劣っている・特別に変わっている・特別に傷ついている、など様々なのですが、何であれそれを根拠として自分は特別扱いされるべきだという考えを発展させます。そして、それが回復を阻む要因の一つだと考えられています。回復するためには、自分を特別扱いする考えを取り除いていく必要があるわけです。

だから、多くのグループは戸惑いながらも、「部屋は貸せない」という話をすんなりと受け入れたわけです。教会の人たちがミサを中止しているのに自分たちだけは部屋を使わせて欲しいとか、他の団体も部屋を使えなくなっているのに自分たちだけはと公民館にお願いしたりせずに、事態を受け入れるほうを選びました。

今も休止になっていないミーティングは、幸運にもまだ部屋が貸して貰える施設であったり、貸してもらえるところを探し出して代替会場を用意したところでありましょう。その中には、一回当たり数千円の使用費がかかるところもあるそうです。

ソブラエティの維持にミーティングは必要なのか

『米国アディクション列伝』のなかでウィリアム・ホワイトは、AAメンバーは一生ミーティングに出続けなければならないのか、という疑問について議論しています。3)

AAの文献には、一人ひとりのソブラエティとグループ所属の関連については書かれており4)、さらにソブラエティを得ようとするとき(つまりビギナーにとってはグループの存在が重要であることはたびたび書かれているものの、長期的なソブラエティを維持する際に必要かどうかについては何も書かれていません

だから、一生AAミーティングに出続けなければならないのか? という問いに対して、ホワイトは「イエスという意見がある一方で、大方の意見はノーというところが一般的かもしれない」と書いています。そして、巻末の注で:

It is my own view that the best-kept secret about and within A.A. is the existence of large numbers of formerly active members who sustain their sobriety and their emotional well-being long after they have ceased active participation in A.A. meetings. Bill Wilson, A.A.’s co-founder, seemed to elude to these hidden, non-active members in his 1969 testimony during congressional hearings on alcoholism.5)


私の個人的見解として、かつて活動的メンバーであり、AAミーティングへの活発な参加をやめてしまったものの、その後も長期にわたってソブラエティと感情的なウェルビーイングを保っている人たちが多数存在することは、AA内部で最も良く守られている秘密である。AAの共同創始者であるビル・ウィルソンは、1969年の議会のアルコホリズムについての公聴会における宣誓証言で、こうした隠れた、非活動的なメンバーの存在をごまかしたように見える。(拙訳)

と述べています。

20世紀の日本のAAのように、メンバー数が右肩上がりで増えている時代ならともかく、現在のように増加が止まっている状態では、「今日ミーティングに行かないと飲んでしまう」というビギナーの占める割合は低下しており、今回の非常事態が「最も良く守られた秘密」を白日の下にさらしてしまった、と言えるかも知れません。

それでもミーティングは必要だ

しかしながら、ソブラエティを獲得しようとしているビギナーにとっては、ミーティングへの参加はとても重要です。そして、ミーティングがビギナーばかりになっても困難が生じます。これはAAのことではありませんが、参加者が症状が止まっていない人ばかりで、ミーティングに希望が見いだせないという悩みを抱えている団体もあるのですから。

ビギナーは安定したソブラエティを得たメンバーを必要としていますし、安定したメンバーも、質の高いソブラエティを保つためには、自分がかつて得たものを新しい人たちに渡していくこと(つまりステップ12)が欠かせません。その多くは一対一のスポンサーシップを通じて行われるにしても、スポンサーとビギナーの出会いの場としてミーティング場は必要です。それがなかったらスポンサーは、新しいスポンシーをどうやって獲得したら良いのか・・・いまや病院も集団感染防止のために部外者立ち入り禁止になっているというのに。

インターナショナルコンベンションも中止に

3月10日には中国の習主席が武漢を訪れて、終息をアピールしました。経済活動も再開され、僕がネット通販で注文した品々も出荷されるようになりました(届くのにはさらに2~3週間かかりました)。韓国は都市封鎖なしに感染を抑え込みました。一方で、ヨーロッパやアメリカに感染が広がり、東アジア以上に拡大しています。

7月初旬にはアメリカのデトロイトでAAのインターナショナルコンベンションが予定されていました。参加申込をした人たちは(私も含めて)、どうなるのか固唾をのんで見守っていましたが、果たして3月28日に中止の連絡が入りました。こちらは5万人以上が集まる集会なので、現状ではやむを得ないとは言え、12年前に開催が決定して以来ずっと準備を進めてきた現地のメンバーの気持ちを思うと、残念でなりません。

中止を報告する常任理事会議長の文章の一部を紹介します:

While the decision to cancel our International Convention is a difficult one, it is important to remember that Alcoholics Anonymous is not a place or an event; it exists in the hearts, minds and help freely offered. A.A. groups and members across the globe continue to focus on our primary purpose of carrying a message of hope and recovery; and with our shared code of love and tolerance, may we continue for so long as we are needed. 6)


インターナショナルコンベンションを中止するという今回の決定は難しいものでありましたが、アルコホーリクス・アノニマスは特定の場所やイベントではないこと、それは各自の心の中、精神の中、無償で提供される手助けのなかに存在するものであることを、ぜひ思い起こしていただきたい。全世界のAAグループやメンバーは、「愛と寛容を私たちが守るべき決まりとして」7)今後も希望と回復のメッセージを運ぶという私たちの唯一の目的にフォーカスし続け、私たちは必要とされる限り存在し続けるでしょう。(拙訳)

AAはミーティング会場にあるのではなく、私たちの心と頭と無償で提供される手助けの中にある、というメッセージはとても心に残ります。

オンラインに移行するアメリカのAA

ニューヨークも外出禁止になったおかげで、GSOは閉鎖され、スタッフが在宅勤務になっているため、問い合わせはメールにして欲しいというお知らせがありました。

伝統4によって、それぞれのAAグループには自治権(autonomy)があるので、どんな経験豊富なメンバーであっても基本的に他のグループのやり方に口を挟むことはできません。この点は、オフィスや常任理事会や評議会でも同じで、「政府の役をするどのような行為」もしてはならない、とされており、穏やかな提案ぐらいのことしかできません。8)

AAは号令によって動く団体ではなく、それぞれのグループやメンバーが勝手に動く団体ですが、それは逆に今回のような非常時においても、ミーティングをどうするかはそれぞれのグループが自分たちで情報を集めて判断しなければならない、という自己責任を突きつけられることになります。

だから、オフィスから「こうして下さい」という情報はないものの、一方で他のグループはこうやっていますという情報を共有してくれるのもオフィスの役目です。GSOは、オンラインミーティングという選択肢を多くのグループが採っていることを案内しています。具体的には、Google ハングアウトZoomFree Conference Callという三つのサービスを使っているグループが多いこととあります。9)

アメリカでは多くのセントラルオフィス・インターグループオフィスが、ミーティングをオンラインに移行する案内を出し始めているという案内もありました。これには、多くのグループはメンバーの連絡先リストを作成し、お互いに電話やメールやSNSで連絡を活発化させているともあります。

実際にアメリカの都市部では多くのミーティングが休止になり、グループはミーティングをZoomに移行していると聞きます。

僕のホームグループでは以前から熱心なメンバーがZoomのミーティングを定期的に開催していましたが、今回教会でのミーティングが休止になってから、それを拡充しています。僕も初めて参加しました。以前Skypeでミーティングをやっていたときには、ビデオをオフにしていたため、他の参加者がマイクをミュートしていると(虚無の空間に向かって話しているみたいで)結構話しづらかったのですが、Zoomでビデオをオンにしていると、他の皆の顔が見え、なんだかいつものミーティングに加わっている雰囲気がありました(ただ自宅からなので、皆が「緩い」格好をしてました。僕もパジャマだったし)。

いくつかの提言

過去には東日本大震災の原発事故の際に、公民館などが避難所になったり、節電の必要から使えなくなったことで、AAミーティングの休止が相次いだことがありました。今回の厄災はそれ以上のもので、AAにとって最大のピンチが訪れていると言えそうです。その事態に対しても、とても冷静な仲間たちの行動を、たいへん心強く思っています。

先ほど述べたように、伝統四に従って、他のグループのやり方に口を挟むつもりは毛頭ありませんが、それでも、いくつか提案(あるいは提言)を述べておこうと思います。

公式・非公式という区別をつけない

ミーティングの休止に伴って、臨時のミーティングを開催する人たちがそれを「非公式のミーシングを行う」と表現していることが気になりました。ミーティングに公式と非公式の区別を設けるのはやめたほうが良いでしょう。どこであれ、いつであれ、どんな形式であれ、メンバーが集まって話をするならば、それはミーティングです。公式と非公式、正式と非正式の区別を付ける必要はありません。

ただ、オフィス(あるいは委員会なり、なんらかのエンティティ)の一覧表に掲載されているミーティングと、掲載されていないミーティングの区別があるだけです。そこに掲載されていないミーティングも正式・公式なものだし、あなたが今夜スポンシーに電話をかけて二人で話し合うことも正式・公式なミーティングなのです。

一覧表に掲載されていないミーティングを一段低いものと見なさず、積極的に活用して欲しいと願っています。(掲載されているミーティングの持つアドバンテージは、新しい人がAAを見つけやすくするということです)。

オンラインの活用

すでに行われていると思いますが、連絡先を交換している仲間同士で、電話やメールやSNSでコミュニケーションを積極的に取ることは、役に立つと思います。例えばLINEのグループを作ってコミュニケーションすることは、仲間とのつながりを維持させてくれます。

また、先ほど述べたようにオンラインミーティングを行う選択肢もあります。個人的経験から言えば、ビデオをオンにしてお互いに顔の見えるミーシングをやったほうが安心感があります。何と言っても、僕らは集まってのミーティングではお互い顔を見て話をしていたのですから。

アノニミティについてのページでも説明していますが、一般に公開されたロケーションでなければ、Zoomなどのオンラインミーティングで顔出ししても「アノニミティ破り」とはなりません。)

Zoomのセキュリティ設定については、このあたりの記事が参考になるでしょう。
人気ビデオ会議アプリ「Zoom」が今も抱えるさまざまな問題(Tech Crunch)
Zoom、パスワード強化と「待機室」追加 “Zoombombing”対策で(ITmedia NEWS)

オフィスには各グループのやっているオンラインミーティングの一覧表を作っていただきたい。配布の仕方には工夫が必要でしょうけれど(Zoomリンクを一般に公開すべきではないから)。実のところ、すでに毎日どこかでオンラインのAAミーティングは開催されています。それに参加したい人が、ミーティングを見つけることができないことが、新たな困難を作り出しているのではないでしょうか。オフィスがオンラインミーティングをサポートしてくれないのであれば、オンラインの活動からオフィスへの物質的なサポートも期待できなくなってしまいます。

これまで日本のAAには、オンラインのミーティングをなま(in person)のミーティングより一段低く(あるいは特殊なものと)見なす雰囲気がありましたが、今回のことによってそれが払拭されることを願っています。

私たちの書籍類がAAメッセージの一貫性を保っている一方で、社会全般における革命的な変化は、共同体内部の新しい慣習と活動方法に反映されている。技術発展の成果を利用すれば、AAメンバーはコンピューターを使って、国を横断しあるいは世界を一周して、仲間のアルコホーリクたちと分かち合うオンライン・ミーティングに参加することができる。(ただし、電子的なミーティングと街中に存在するホームグループは形式が違っているだけだ。)そのミーティングや場所がどんなものであっても、AAメンバーは飲まないで生き、他のアルコホーリクを助けることを目的として経験と力と希望とを分かち合っている。モデム経由方式であっても、対面方式であっても、AAメンバーは力と単純さを旨として心の言葉を話しているのである。10)

これは2000年に発表されたビッグブック第四版の序文の一部ですが、私たちが「他のアルコホーリクを助けることを目的として経験と力と希望とを分かち合っている」限り、その形式の違いをうんぬんすることはナンセンスです。

ピンチをチャンスに

政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議は、「感染拡大指定地域」に指定された場合には、10名以上が集まる集会への参加を避けるようにと4月1日に提言しています。もし非常事態宣言が出され「感染拡大指定地域」に指定されると(それは現実味を増していますが)、10人以上が参加する生のAAミーティングは開けなくなってしまいます。その場合でも一部のグループは、最も困難な立場にある人たちのために生のミーティングを(10名以下で)確保するでしょうが、それ以外のグループはオンラインに移行せざるを得なくなるでしょう。いまや多くの生活保護世帯でもスマートホンが使われていることからすれば、現実的な選択肢はそれしかないと思います。

4月11日追記はたして4月7日夕には非常事態宣言が発令されました。専門家会議の提言した10名以上が集まる集会への参加回避という要請は、東京都の緊急事態措置には盛り込まれませんでしたが、法律に基づいて「徹底した外出自粛の要請」が行われました。

この困難の時期もいつかは終わり、休止されているミーティングも再開されるでしょう。ただそれだけでなく、今回のことがAAがインターネットを積極的に活用し始める契機になって欲しいと願っています。つまり、事態が沈静化しても、オンラインでのAA活動が活発に発展していって欲しいのです。

もちろん、未経験のことを行うのですから、たくさんトラブルが起きるでしょうが、それも技術の進歩と(AAお得意の)経験の蓄積によって解決されていくと期待して構わないでしょう。

将来的には、オンラインのミーティングにつながってくる新しい仲間も増えるでしょうし、そうすれば今までAAが惹きつけられなかった層にアプローチできるかも知れません。オンラインのミーティングしか行わないグループが多数誕生するかもしれません。その人たちは、自分たち独自のサービス体系を作り上げるのか、それとも既存のAAオフィスから恩恵を受け、オフィスに献金をするようになるのか、そこまでは僕にも予想つきません。

いずれにせよ、私たちの中で「新しいやり方を身に付ける」というステップ6、7がきちんと機能しているのであれば、今回の困難を機にAAは成長するでしょう。


  1. 東京都と隣接3県のAA地区の週間スケジュールで表示されているコマ数を数えた。 []
  2. 正確には、3月の開催が中止になっただけで、延期して開催するという選択肢はまだ残っている。 []
  3. ウィリアム・L・ホワイト(鈴木美保子他訳)『米国アディクション列伝 アメリカにおけるアディクション治療と回復の歴史』, ジャパンマック, 2007, p.155 []
  4. 12&12, AAWS, 2001, p.173 []
  5. ホワイト, p.372 []
  6. Michele Grinberg, 2020 International Convention, July 2-5, Detroit, Michigan, is Canceled Announcement by Michele Grinberg, Chair of the General Service Board of A.A., AAWS, 2020-3-28 []
  7. BB, p.122にある言葉で、今回のコンベンションのテーマ。 []
  8. 概念12。 []
  9. Free Conference Callは日本語未対応のようです。 []
  10. BB, p.xxx(30)  []

2020-04-11その他,日々雑記

Posted by ragi